私どものホームページが2011年夏から更新が滞りご迷惑をおかけいたしておりました。そもそも使っていたPCが壊れて使い物にならなくなり、丁度引越しもありましたのでPCも新品に更新することにしました。
PC音痴の私には当然ながら、必然的に発生するHPBの移転作業がうまくいくのだろうかという不安がありましたが、もともとのPCが壊れているのではそうせざるを得ません。
そして案の定この作業はうまくいきませんでした。ところが引越しや模型ショウなどでそれにかかりきることも出来ず、また折に触れて人にそのことを聞くと案外簡単に解決するような話なので、そのうちにと言う気持ちで過ごしてしまいました。
模型ショウも終わりそろそろ本腰を入れようかということになりましたが、実を言うと本質的に何も分かっていないというのが本当で、手取り足取り教えていただきたいのが本音でした。
時々更新を行っていたのは、その壊れたPCをだましだまし起動させていたのですが、これもシステムがもうどうにもならない様で、新居のネットワークには繋がらないのです。仕方なくPCを担いで知人のところまで出向いてそこのネットワークに繋いで更新をするという有様でした。
これはこれでその理由が知りたいところですが、恐らく私には説明を聞いても分からない類の話になるのだろうと思います。
そんな時、模型ショウで東京に出向いた際、いつもご挨拶に伺う模型店の店頭でお声がけをくださった方を思い出しました。思い出したと言うのは少し間違った言い方ですが、誰でもが知っている世界的なコンピューター関係の会社にお勤めの方です。
だからと言ってこんな個人的なことでお手間をいただくのもどうかと言う気持ちも強かったのですが、まさに藁をも掴む思いでしょうか、他の件でいろいろメールのやり取りをしていただいているときに少しその件をお話させていただきました。
早速にいろいろな事象を具体的にアドバイスいただきました。さすがにプロのエンジニアの方は、巷によくいるPCマニアとは本質的に格が違うと言う当たり前のことをひしひしと感じました。
すべてに論理的と申しますか、症状についてこちらに頂戴するご質問もきわめて分かりやすく、さらには画面の具体例も添付してアドバイスしてくださいました。
どうやら私の状況はイレギュラーだったようで、指示通りの操作では解決できませんでした。その方は毎日深夜にいろいろな方策を考えてくださり、ある方策を持って解決いたしました。
お疲れのところ毎晩そのことで時間を頂戴することになり、恐縮すると同時に本当に感謝いたしております。
さて、その方との出会いにはまたびっくりするようなお話があります。話が前後しますが、とある模型店の店頭で一メーカーの担当者としてご質問を頂戴しお話をさせていただいた時に興味を持っていただき、ご帰宅後に私どものこのHPをご覧頂いたとのことをうかがいました。メールのやり取りに至ったのは、そのときに代表者である私の名前と所在地にある記憶が思い出されたとのことでした。
大変ご丁重なメールを頂戴し、その内容を拝見させて頂くと「もしや神戸のI君の友人の玉置さんですか」と言うお話。「実はK高校でI君の同級生のUと申します」とのことでした。
Uさんのことはかつて高校時代に、中学で同級生だったI君からよく聞いていたのですぐに分かりました。県内でも有数の進学校のK高校には鉄道模型活動を行う部があり、私は羨ましく思ったものでした。
I君から「うちの部にはU君なるすごい人がいて○○型を何輌持っている」とか「○○電鉄の○○型のキットを実物同数買った」などという話を聞いていました。ですからすぐにどなたであるかは分かりましたし、折に触れて高校時代のI君のことを思い出したりしたときに、そのU君なる人は今も模型をやっておられるのだろうかと気に留めていたのも事実です。
ところでUさんとは実は初対面ではなかったはずなのです。その高校の文化祭に遊びに行ってI君から紹介を受けたような記憶がありました。しかし軽く挨拶をしたかどうかと言う程度で、友達になると言うこともありませんでした。
まあ男子高校生はそんなものなのでしょうけれど、メールのやり取りで、「I君から中学のときの友達で何でもペーパースクラッチをする玉置君というのがいると聞いて、ひそかにライバル心を燃やした気がします。」と仰っていました。実は私もその何かとすごい「U君」には確かにライバル心があったような気がします。すんなり仲良くはなれなかったのかもしれませんね。
そして時は34年も流れました。Uさんは私のことを覚えていてくださったおかげでメールをくださいました。模型のことよりも先ずはもう30年ほど連絡の取れていないI君をはじめ、K高校へ進学した中学時代の友達のことなどを話題にしました。
私にとって中学時代は本当に楽しく大切な時間でしたから懐かしくて仕方がなかったにも関わらず、ほとんどの方の消息も分からないままになっていました。UさんはI君とは賀状の交換は続いていると言うことですぐに連絡がつきました。I君と仲のよかった別の友達ともすぐに連絡がつきました。
そしてUさんはK高校の同窓会のHPからいろいろ調べてくださいました。するとなんということか、私の中学の同期の同窓会が企画されていると言う情報を掴んでくださったのです。それも1ヵ月後に開催予定でした。
さらに幹事を務めている人に連絡を取ってくださり、その人からまたすぐに連絡をもらいました。何でも35年目にして初めての同窓会で、ほとんどの人の消息が分からないと言うことでした。
出席予定の人の名簿を見ると、K高校へ進学した人がやはり多く、本当にもう一度お会いしたい人の名前がたくさん並んでいます。K高校は同窓会も活発でやはり力を発揮しているのだと改めて感じました。
予定をすぐに調整して出席の連絡を入れました。今までもう思い出の夢の中でしかお会いできなくなっているような人たちともう一度会えるという、本当にこんな気分は何時からあじわっていないのだろうかと思うくらいの興奮がありました。
この同窓会は、当時新任で赴任された先生が退職されると言うことで、当時のそのクラスに在籍していた人たちが、クラス会をしようというのが発端だということでした。
その先生も記憶は卒業アルバムに写っている当時の若者です。そんな方がもうベテランになって退職されると言うのもなんとなく想像できません。
11月のある土曜の午後、待ちに待ったその日、わくわくする気分で出かけてゆきました。地下鉄の中である紳士も乗っておられ、もしかしたらこの方も同窓の方なのかと思いながら会場のビルのエレベーターに向かうと、そこでエレベーターを待っている女性はまさに中学のとき同じクラスの同級生でした。お互いすぐに分かりました。
そして、先ほどの紳士は小学生のときから一緒だった友達でした。こちらは電車の中では誰か分かりませんでした。
かつて新任だった先生がご登場になると、そこには若者ではなく、初老の紳士が入ってこられました。卒業以来、アルバムに写っているお姿しかイメージになかったので、その現実を受け入れるのに時間がかかった気がします。
もう一人、やはり当時若い先生で長髪をウリにされていたはずの先生は、会場のライトを見事に反射させておられました。「なぜ髪型を変えたのですか？」という質問が飛び出して会場は大爆笑でした。
同窓会の内容を詳しく書く場所ではありませんのでこれぐらいにしておきますが、本当に楽しい一日となり、しばらく興奮冷めやらぬ状況でした。
たくさんの古い友人に再会が果たせました。しかし、もしUさんが東京から帰ってきたときにメールをくださらなければ同窓会の開催予定など知る由もありませんでした。
そして、そもそも34年も前にI君から話を聞いていたUさんとお会いできて、いろいろメールのやり取りをさせていただくことが出来たのも驚きです。
鉄道模型のご縁であると言えるでしょう。Uさんも「鉄道模型をやっていてよかった」と申されています。
折に触れて私は「鉄道模型は大変スパンの長いもの」ということをお話させていただいています。Uさんとは実質初対面に等しいはずですが、鉄道模型が絡むと人との再会もお付き合いもこんなにスパンが長いのだ、と言うお話です。
さて、こうしてUさんと私の人間ドラマの仕掛け人であるI君にそのことを話したら、「君にU君のこと話したことがあったっけ。むかしのことで覚えていないなあ」などとオチをつけてくれました。
I君もかつて高校生の頃はペーパーから真鍮バラキット組立までこなすかなりの腕前で大の気動車ファンでしたが、今はすっかり廃業とのことでした。
そういえば、私も本当に休止期間が長かったですし、Uさんもやはり休止期間があったとのことです。ちょっとしたことが模型再開のきっかけとなるのですが、あと10年すればI君も定年退職のはず。どうなるか楽しみですね。
ところでUさんはご自身のHPもお持ちで、ペーパーから真鍮までこなすベテランモデラーでいらっしゃいます。さらには近年のTMSコンペにも名を連ねておられます。
私は相変わらず簡略のものばかり、鉄道模型の再開とメーカーの開始が同時になったので、見本ばかり作って作品と呼べるものはありません。あれから今年で35年。やはりUさんは「何かとすごいU君」のままなのだとあらためて感じています。
そして、もしお会いできなければ同窓会への出席は勿論できず、当社HPも更新できないままでした。本当に御礼申し上げます。